ホームレスのジェシーを助けた話

ホームレスのジェシーを助けた話


5月7日。

お母さんの誕生日。


この日、私は朝からわりと調子がよかった。(メンタル的に)


11時ごろ、Open Armsという、ホームレスの人たちを支援する場所に行った。ここには、スーパーで売れ残って廃棄になってしまうような食べ物などが寄付される。


だから、お金がなくて食べ物を買うのが難しい人を支援することと、食品ロスを防ぐことがダブルで実現している、すばらしい場所だと思う。ちなみにそれでも余った食料はブタさんのエサになるらしい。


ランチをもらったら、Fish and chips だった!

この魚がめちゃくちゃおいしい。

揚げ物だから、ヘルシーではないことはわかっているけど、とにかくおいしいからいっか!というのが、近ごろのけっこう鬱々とした私の気分の中では、いい方向に考えた結果の感想。


私がもぐもぐ食べてる横で、ダーリンは、なにやら電話に忙しい。

グラントという、すごくいろんなことを知っているしいい人なんだけど、話すのが止まらない友だちがいて、(私はこの人に一度泣かされたんだけど笑、)


まあダーリンにとっては電話がかかってきたら、まあ、出るか。という関係の人なのである。まあ、私に会う前からのけっこういろんなことを話せる友だちなのである。いろいろ助けあったりもしてるらしい。


まあ、そのグラントと、もうひとりは、最近、いろんな話をたくさんして、とても知識があって今自分がやってるプロジェクトのことでいろいろ助けてくれそうだという、ジェシー

ジェシーは今ホームレスで、泊まるところを探していることもあって、グラントのお父さんが住んでた家はどうか?ということになり、


ダ「じゃあまあ、その家まで行くけど、一緒に行く?」


私「うん、まあ、行けると思う。」


ダ「どうやって行く?前にも言ったけど、歩いていけると思うよ。でも、バス、タクシーという手もある。」


私「まあ今日調子いいし、絶対的に運動不足だから歩くでいいと思う。」


じゃあ、まあ、歩いて行くか〜ということになり、ジェシーにそれを伝える。


で、ジェシーも一緒に行くことに。


ダーリンのことなので、最短ルートで行くとかじゃなくて、「なるべく自然の中を歩いて行こう」と言いだす。はいはい。


ダーリンのテンション的には、そんなに大変なことのようには思われない。

(けど私は知っていた、これはたぶん思っている以上に大変だろうと!笑)


まあいいや、とにかく歩こう。

うちでじっとしてるよりはたぶんマシだ。


道中、ダーリンとジェシーは、プロジェクトのことだったり、マオリのことだったりを話している。


こういうとき、私は、とにかくきいている。

きいて、理解しようとしている。

でも、けっこうわからない!笑


だから、半分くらい真剣にきいて、半分くらい自分の時間を過ごしている。

会話にはめったに入れないし、たまに寒かったりするともうそこにいることが苦痛でしかない、みたいなときもある。


これがけっこうストレスだけど、しょうがない。

たぶん言語を習得する上では避けて通れない大変さなのだと自分に言い聞かせる。

わからなくてストレスに感じるのは、わかりたいと思うからだよな、と自分の努力を認める。

がんばっていてえらいぞ!笑


まあそれが、ニュージーランドにいる意味のひとつだと思うし。

日本に帰ったら、そういう環境はなかなかない。だから多少大変でも、今がんばる。あるものに感謝。いることに感謝。


でまあ、とにかく歩く。

森の中を歩くのは気持ちがいい。キノコないかな、と思って観察しながら歩く。ちょっとあった。


いろんな人とすれちがう。

走ってる人もけっこういる。

ジェシーは、道ゆく人に、必ず自分から声をかける。


あ、書くの忘れたけど、歩き始めたころにジェシーが私に気を使ってくれたのもすごくわかった。

おばあちゃんが日本人とのハーフで、日本の血が入ってるって言ってたから、ちょっと親近感があったのかな?


うん、ジェシーはたぶんいい人だ。


だいぶ歩いた。どうやら道に迷ったっぽい。笑


先行きが見えなくて、ちょっと不安になる私。

疲れてきて、ちょっとgrumpy (不機嫌)笑


あとちょっと歩いたら、食べ物と飲み物買ってあげるから、となだめられる。

はい。ついてきちゃったからね、がんばって歩くよ。

なんならもっといっぱい歩いたことあるしな、それに36時間ぶっ続けのセーリングよりはマシだな、と自分でも自分をなだめる。


とにかく自然の中を歩きたいダーリンは、ゴルフコースの中をずんずん進んでいく。

でもまだコロナウィルスの感染警戒レベルは3なので、警察もけっこう見回ってるし、それが心配な様子のジェシー


うんうん、わかるよ、心配になっちゃう気持ち!笑

まあでもダーリンいつもこんな感じだからね!爆


ゴルフコースを抜けたあたりで、疲れも溜まっていたジェシーの不満が爆発!

だよね〜、わかるよ、私もいつもそうだから!笑


と、なんかこう、ダーリンの行動に対して、不安になったり、振り回されて疲れたりして怒っちゃうのって私だけじゃないよね、そうだよね〜と思ったら、なんかちょっと逆に安心した笑


そうこうしてるうちに、目的地に到着!


ジェシーの顔に、安堵した笑顔が戻る。


そりゃそうだよね、毎日寝る場所に不安を抱えながら生きていくって、どんな感じなんだろう。


想像しかできないけど、自分も今船に住んでいて、雨が降ってきたら戸をぜんぶ閉めないといけないとか、閉めても雨もりするとか、暖房器具が湯たんぽしかないとか、そういう状況に身をおくようになって、あらためて雨風をしのげるシェルターがあることのありがたさを噛みしめているから、


安心して寝れる場所があって、ほんとうによかったね、って思う。


グラントのお父さんが住んでたおうち。

中を見て、ジェシーが休めるようにマットレスとか整えて、水や電気がきてるのかとか、いろいろ確認。


ダーリンに、「グラントは、ここにおれたちが住むのはどうか?って言ってたんだよ。」って言われたけど(その話は前からしていた)、


うーん、私、たぶん船でやってけると思う。


って思った。笑

そして、そう思ったことに自分でもびっくりした。笑


最近、自分の住んでる環境にイライラしてしまうことがけっこうあったのだけど、(トイレがくさい!とか言ってキレたりしていた笑)


気がついたら、けっこう適応しているじゃないか!!!爆


びっくりしたけど、自分、確実にいろいろレベルアップしてるわ、と思って、自信を思い出した。笑


それにまあ、そのおうちに住むには週100ドルくらい家賃を払わないといけないし、水とか電気だって公共料金が発生する。


ちなみに今、飲み水は近くの山に汲みに行くからタダ。お皿洗ったりする水は、マリーナっていう船の団地みたいなところにある水道から汲む。マリーナの年会費、利用料は払っているからお水とかは使って大丈夫🙆‍♀️


マリーナオフィスに洗濯機やシャワーがあって、洗濯は1回3,4ドル、2週間か3週間に一度くらい、あったかいシャワーは1回1ドル、でもなぜかお金を入れなくても高確率でお湯が出るところもあって笑、1〜3日に1回浴びれている。高確率だけどたまに水しか出ないときもあるから注意!笑


トイレも船でしたり、オフィスのとこにあるトイレを使ったり(朝イチ大変だけど、これも慣れてきた!驚愕!笑) 船のトイレ、数週間前に壊れたので、小さい方はバケツにして、フタして、夜だれも見てないときにバシャーってする。紙はコーヒーの袋に入れて、陸のトイレに流す。大きい方が、生活の中でいちばん、た・い・へ・ん!!笑

朝、起きたらがんばって船こいで岸まで行くか、緊急の場合は"Celebration" って書いてあるお菓子の箱(プラスチックの容器)にして、陸のトイレに流す!笑 もう、恥とかそういうのはとっくに捨てている!笑笑


電気は、携帯の充電は船の太陽光発電でまかなえるし、パソコンはオフィスで充電できる。ガスはガスボトルが備え付けてあって、お湯沸かしたり、料理したり、オーブン料理もできる。


まあ、つまり、できることは限られているけど、生きていくには一応、充分、困らない環境。


まあとにかく、あんなに文句ばっかり言っていたのに笑、気がついたらけっこう船でもやっていける適応力?を身につけていたことに自分でもびっくりしたし、でもそれがなんかうれしかった!


文句ばっかり言ってごめんなさい、やれることをやります。って思った。笑


とにかく今は、最近全然やっていなかった「本を読む」ということをがんばってみようと思う。勉強する。嵐が過ぎるのを待つ。耐える。うおー。


でもちゃんと森の中とか歩くのは大事だと思ったから、それもしよう。


帰り道、ふたたびてくてく歩きながら、ジェシーの顔を思い出した。

家に着いたときの、あの表情。

ほんとに、よかったね〜\( ˆoˆ )/


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歩いている途中で撮った写真。森の中は気持ちがいいね〜\( ˆoˆ )/